まえだたかし 漫画家 プロフィール画像
『デザインと漫画は密接にリンクしている』41歳でデザイナーから漫画家に転身。かめはめ波はデザインであると言った漫画家まえだたかしの過去と未来について聞いた。

2018/10/06

漫画家と聞くと、どんな人を想像するだろうか。 
 
尾田栄一郎や鳥山明などは安易に想像できる。 
 
しかし、新人漫画家と言われ瞬間に天才高校生などを想像してしまう事が多い。 
 
しかし、まえださんは41歳。 
 
デザイナーとして一流のキャリアを上り詰めたまえださんは、なぜ突然漫画家に転身したのか。 
 
上り詰めたのちに、ある意味で下るようにキャリアを形成するまえださんの過去と未来について話を聞いた。 
 

では、楽しんで! 
 

デザイナー改め、41歳新人漫画家

スタイル
いきなりですが、まえださんは普段どんな生活(LIFESTYLE)を送ってらっしゃるんですか?
まえださん
三年前に会社員をやめて、フリーでデザインをやってます。寝る時間も起きる時間も決めていなくて、休みと仕事の垣根もないですね。あとは、オンラインサロンもやっていて毎日楽しくいきてますよ(笑)
スタイル
デザインも漫画も仕事であり、楽しみなんですね!
まえださん
そうですね。でも漫画はまだ本格的にスタートはしてないんです。佐渡島さんと初めて会った時に、僕がやっている前田デザイン室の方に興味を持っていただいて会うことになり、話していたのですがその時『昔、漫画家になりたかった』ということを言っていたんですよね。
スタイル
そうなんですね!
では、実際に漫画を描き始めることになった経緯はなんだったんですか?
まえださん
それは、佐渡島さんが行った『編集ブートキャンプ』という企画に僕が参加した事が始まりです。そこに参加した時改めて佐渡島さんと話したんですが、僕が『漫画家になりたかった』と言っていたことを覚えてくれていたんです。
スタイル
それは佐渡島さんに直接会ったのは2回目ということですよね?
まえださん
その前に東京のトークイベントの後に一度食事してるので、3回目ですね。その時、僕は『自分の妄想を見られるのが恥ずかしい』と言ったんですが、、佐渡島さんが『僕が編集するのでまえださん描きましょう!』と言ってくださったんです。僕はその場で『やります。』と返事しました。
スタイル
では、その合宿で実際に始動しはじめたんですね。
まえださん
そうです。編集ブートキャンプの、最後の課題が「伝わる自己紹介」だったんです。そこで、『デザイナー改め、41歳新人漫画家です。』と発表しました。
スタイル
なんか漫画の主人公みたいでかっこいいです。
実際に漫画家としての活動をはじめたのは最近だと思うのですが、漫画の魅力に意識を傾けはじめたのはいつ頃だったんですか?
まえださん
それはもう幼稚園児とか小学生くらいの時代からです。ずっと家ではキン肉マンの絵を描いていたんですけど、学校とかで人から初めて絵が上手いと認められて『やっぱり自分は絵が上手いのか』と明確に意識したのがはじまりですね。
スタイル
かなり幼い頃ですね。その頃から、漫画自体も好きになっていったんですか?
まえださん
そうですね。ちょうどこの時から漫画そのものが好きになって、イラストをたくさん描いていました。『ヘタッピマンガ研究所』という漫画の描き方が載っているコミックがあったんですけど、それを読んでますます漫画や漫画家の魅力に惹かれていきましたね。
スタイル
その頃から、漫画家になる片鱗はあったのかも知れませんね。『ヘタッピマンガ研究所』を読んでどの部分に漫画家の魅力を感じたんですか?
まえださん
一番魅力的だなと思ったのは、家で仕事してジャッキーチェンの映画を観ながら、テレビ観ながら漫画を描くというのが最高のライフスタイルだなと思ったんですよ。
スタイル
確かに、そういったスタイルの仕事ってなかなか無いですよね。
まえださん
はい。それはずっと残っています。会社員を15年くらいやったんですけど、どこかでそこに憧れていたというのはあるかもしれません。
スタイル
では、その時からずっとこの漫画家になるということに憧れていたんですか?
まえださん
いや、自分が漫画家になれるなんて思ってなかったし描こうとも思わなかったです。
スタイル
それはなんでですか?
まえださん
それは、僕にとって漫画家という職業が遥か高みだったんです。だから、漫画はプロデュースで関わるのかなと思ってました。
スタイル
それが今では自分で書くところまで来ているということですね。
まえださん
確かにそうですね(笑)
だから、佐渡島さんに描こうと言われた時は、『あ、僕は描いていいのか』という気持ちになりましたね。
スタイル
誰かに見られるのが恥ずかしいというのは、ずっと抱えてる感情ですか?
まえださん
中学時代とかも漫画を描いたりしてた時はあったんですけど、隠して描いてましたね。絵だけならまだしも、そこにストーリーとかセリフが入ると自分の考えた妄想を見られているような気がしてすごく恥ずかしかったんです。それを、馬鹿にされたら立ち直れないんじゃ無いかと思ったんですよ。
スタイル
僕も普段は小説を書くのでその気持ちすごくわかります。まえださんは、ストーリーを考える事が嫌いなわけでは無いんですもんね。
まえださん
むしろ好きですね。でもストーリーというより、設定が好きなんですよね。キャラ設定とか武器はこういうのとかそういう細やかな世界の設計が好きなんだと思います。
スタイル
その感覚は、任天堂で仕事をされてた時と同じ感覚ですか?
まえださん
ん〜。もともとゲームが好きで任天堂に入ったんですけど、実際に作り上げるのは僕の好きな妄想・設定の部分とは違うような気もするんですよ。
スタイル
では、世界観の設計はデザインでは無いという事ですか?
まえださん
あ、でも言われてみればデザインの世界観といえば世界観なのか…。
言われて気がつきました。
『可愛い』とかの印象付けはアートディレクターとも言うんですけど、それって世界観構築なので確かにそうですね。
スタイル
まえださんの中で、デザインと漫画はどのような位置付けにあったんですか?
まえださん
実際、僕が大学受験するときも既に弓道の推薦が決まってたんですよ。でも、デザイン学科に進学したくて恥ずかしい気持ちを抑えながら親に連絡しました。どうして、そうしたかと言うとさっきの『ヘタッピマンガ研究所』を描いた鳥山明さんも元デザイナーで、もしかしたらデザイナーは漫画家に繋がっているのかもしれないと思ったからなのかもしれないです。
スタイル
では、デザインも好きで漫画も好きだから一度鳥山明のような道筋を歩んでみようと思ったんですね。実際に漫画を描いてない期間はあったんですか?
まえださん
ありましたよ。それこそ、中学・高校から描いてなかったので20年弱描いてませんでした。
スタイル
それは、かなり長いですね!
まえださん
どこかに漫画を意識しながらも、ある意味で漫画というものに蓋をしてたんですよね。
スタイル
やっと、その蓋を外す日が来たという事ですね。
まえださん
そうです。今は僕がやっているオンラインサロンのイベントの1日を2ページの漫画で描いたりしてます。
スタイル
日常を切り取ったような作品ですよね。
まえださん
まずは修行しているという感覚で漫画を描いています。
僕がいきなり『これを描く!』と言って、実際にHUNTER×HUNTERのような作品を描き始めると言うのは成長の妨げになるような気がしているんです。まずは、色々な描き方を全て受け入れて行きたいと思っています。
スタイル
その、漫画への向き合い方がかっこいいです!
まえださん
最初の質問にあったLIFESTYLEの部分に戻リますが、新規でデザインの仕事を断っても漫画に全力で向き合えるのはオンラインサロンからの収入があるからだと思います。それは、新しい生き方・ LIFESTYLEなのかなと思います。
スタイル
確かにそれは新しい生き方ですね!
まえださん
だと思います。これって、みんなに応援されてるという事だから僕ももっと前田デザイン室を良くしようと思いますね。

妄想で遊べる。

スタイル
デザインの観点から見た漫画をまえださんはどのように感じますか?
まえださん
それはかなり密接だと思っていて、ドラゴンボールのかめはめ波はまさにデザインですよね。
スタイル
どう言う事ですか!?
詳しく聞きたいです。
まえださん
動きのデザイン、声からネーミングまでその全てがデザインですよね。
かめはめ波という単語は声に出したくなるし、あのモーションは手を動かしたくなります。しかも、本当にかめはめ波が出てきそうなんですよ。
スタイル
確かに、どこをとっても親しみやすさみたいなものが伝わってきますよね。
まえださん
それこそ、筋斗雲とかもデザインですよね。
触りたくなるし、乗りたくなる。悟空が、筋斗雲に乗って飛び跳ねるシーンは雲の中心部分少し硬いのかなとか思ったりしますよね。
スタイル
確かに、そう言われれば緻密に設定されているのかもしれないと思ってきました。
まえださん
漫画って、壮大な嘘を付いているじゃないですか。でも、その中にリアリティがあるからこそ引き込まれて、妄想が広がっていくんじゃないかなと思っています。デザインはその世界にリアリティを足すための手段なのかも知れないです。
スタイル
デザインという意味で、まえださんは漫画家というスタート地点で有利にいるのではないですか?
まえださん
それは、おそらく漫画家さんも得意な事なので僕にしかできないことではないような気もするんです。
むしろ僕が有利なのは、これまで長い時間人生を積んできたと言う部分で、そんな僕が描くジャンプ漫画と言うのは魅力的なのかなとは思います。
スタイル
確かに、ジャンプ漫画と聞くと高校生とか高校卒業してすぐ漫画家になった人と言うイメージがあって。全体の印象としてはかなり若いイメージがあります。
まえださん
そこに、41歳で『漫画を描きます』ってならないですよね。
スタイル
確かに、ならないです(笑)
普通、人生って下から這い上がって高みに登っていくと思うんですけど、まえださんはデザインで高みに登っていて、ある意味それを下に降りていくような人生を歩んでいるのがとても興味あります。僕はそんな方が描いた漫画を読みたくなります!
まえださん
そうですね(笑)そんな僕が、ジャンプで次のキン肉マンになるものを描きたいです。
スタイル
その世界是非見させて下さい!
そんなまえださんが思う漫画の魅力って何ですか?
まえださん
それは妄想で遊べるってことですね。良い漫画はその世界観を受け取った後で遊べるんですよね。キン肉マンに出てくるの新しいキャラクターとか、悟空のコスチュームとかでも楽しめる。妄想が妄想を生んでその世界で遊べるというのは漫画の魅力かも知れません。

まえださんにとって漫画家と言うLIFESTYLEは?

さらけ出す

現状、漫画を描くということは裸より恥ずかしいとこです。
 
今までずっとそうすることができなかったから、人生の最後にやることなんじゃないかなと思っていた。 
 
20歳で人生は終わりだと、思ってきたから生き急ぎたい。 
 
 
そう語ったまえだたかしさん。 
 
人生の階段を、デザイナーとして一度上り詰めた。 
 
そんなまえださんが、敢えて別の階段で降りようとしている。 
 
僕たちはその瞬間を目の当たりにするんだと思う。 
 
そんな、まえだたかしさんをSTYLEで応援していきます!

押田はるか 著

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